10年のお付き合い
昔、埼玉の実家の教室を開業すると決心したとき、
それまでは音楽教室の講師として働いていて、
ピアノの指導者としての経験はあったものの、
どう運営をしていくかという問題に初めて向き合うことになった。
当時、まだパソコンをたどたどしく使って(今もたどたどしいけど、レベチに💦)
色々な音楽教室、ピアノ教室のホームページやピアノの先生のブログをみまくった。
そこでとても共感できて、憧れのような気持ちを抱き、参考にさせていただいたお教室があった。
そうだよな、うんうんももちろんだけど、
なるほど!そういう考え方って素敵!とか。
とても影響を受けた。
今回、人生2回目の開業で、そのときとは時代や、自分の年齢や、教室の場所や、色々な変化がある。でも、まずはそれらを敏感に察してアップデートするより、初心を思い出したいなと強く思った。
だから今回はその先生のご著書を読んでみた。
というのは、当時読んでいたホームページを懐かしく検索したら、その先生はすでに亡くなってしまっていたことがわかった。
それでそのときにはなぜか手にとらなかったご著書を注文してみたのだ。
ああ、やはり人柄というのはどんなところにも宿るのだなあと感じた。
ピアノを教えるという仕事に携わる者として、しっかりと、強く、そしてしなやかに、
生徒と接する。
大事なことを呼び起こしてもらえた。
その本は教室の運営方法について書かれていて、レッスン計画やイベント、とてもそんなにきめ細やかにできないと思うくらい充実したお教室だ。
それだからって、それに習って運営するヒントにしたいとは思っていない。
もう自分のスタイルというのはほぼ確立しているので、そういう学びを求めていたわけではない。
ただ、最初に出会ったとき、その生徒に対して10年お付き合いするつもりで考える、という言葉が心に残った。うん、本当にそうだ。
私の生徒で最長に習ってくれた子は、4歳から22歳だった。
その生徒がこの春に大学を卒業して中学の音楽教諭になった。
その生徒に至っては10年以上のお付き合いだったし、
人によってはそれぞれの理由で10年ともたずに辞めてしまう。
でも10年というのは、お付き合いの入り口で意識するべき年数なのかもしれない。
ピアノは一朝一夕で弾けるようになるものでは無いから。
10年育てる、と私は気合を入れるし、
10年習うかも、と生徒さんや保護者には思って欲しいかな。
教室を選ぶ基準は人それぞれで、
通いやすいっていう立地はとても大事だし、
月謝が払える金額かも大事だと思う。
でも、近くて安い!って理由だったら、ちょっと悲しいかな。
私は10年大事に育てるぞって気合を入れるので、
10年お付き合いできるかな?で合格をもらえたら、めちゃくちゃ嬉しいです!
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